ジャン・クリストフ 暁 感想

今更ジャン・クリストフを読み始めました。
自分は語彙もなく語ると陳腐になってしまいますが、やはり名作というものは大変すばらしいもので誰に伝えるわけでもなくてもこうしてなんだか感想を書き殴りたいと思うことがあるものです。

新潮社版

1巻 暁 

一言でいうと本当に美しいな、と。
小説はどれも大体そうですがこの作品もまた表現が大変美しく深く自分のような人間には語ることもできないような完成度です。

クリストフの両親のルイザとメルキオール、祖父のミシェルは皆人間らしい人間です。
ミシェルは音楽家として成功はしながらも実に人間らしい怯えや思想、不完全さを表す癇癪の癖などが描写されており今のところ一番好きな登場人物です。
特にクリストフの口ずさんでいた旋律を譜面に起こしたところの場面、彼が一節だけ付け加えたところがありそれがあるからクリストフはミシェルの名前も作曲者に入れようと提案しますがミシェルはそれを知っているのはクリストフだけでいいと言います。ただ自分が死んだ後、クリストフが偉大な音楽家になってもこの譜面を見て自分を思い出してくれればいいと。
ミシェルの善良さや少しばかりの望み、クリストフへの深い愛情、死期が近いであろう老人が語り望むこのシーンは本当になんといえばこの気持ちを表せるかわからないほど心に響きました。
善良で成功者でありながらも不器用で、間違いも恨まれることも少なくなかったであろう人間。家族や周囲の人間に愛情をもって接していてもその不器用さ故に誤解されることや正しく気持ちが伝わらなかった事だらけでしょう。
また自分の中に素晴らしい構想が浮かんでもそれがうまくアウトプットできずに苦しんでいるというところもとても共感できるところでした。
ミシェルとクリストフが互いに深い愛情を感じていることがとても素晴らしいな、と思います。



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by al_m | 2018-04-18 22:39 | 本・映画・音楽 | Comments(0)


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